意外と知らない!デジタル温度計と湿度計のしくみ

「今日も暑いな……」「部屋がなんかジメジメしてる」そんなとき、私たちはよく温度計や湿度計を見て、今の環境を確認します。
でも、その数字って、一体どうやって出てきているのでしょうか?
ただの数字を並べているように見えるその中には、実は精密なセンサーと知識がたくさん詰まっているのです。
今回はそんな精密なセンサーを搭載しているデジタル温度計と湿度計についてご紹介します。
デジタル温度計ってどんな仕組み?
デジタル温度計のしくみの中心となっているのが、「サーミスタ」という電子部品。
これは、温度によって電気の流れにくさ(=電気抵抗)が変わる特性を持っています。
たとえば、気温が高くなるとサーミスタの電気抵抗は小さくなり、低くなると大きくなる。
センサーはその抵抗の変化を読み取り、電子回路やマイコン(小さなコンピューター)が計算して「26.3℃」といった数字を表示します。
ちなみに、体温計などに使われる赤外線温度計では、対象が放つ赤外線を読み取って温度を出しています。
非接触で測れるのはこの仕組みのおかげです。

デジタル湿度計ってどんな仕組み?
湿度は、空気中にどれくらいの水蒸気があるかを示す数値です。
デジタル湿度計の多くは、「静電容量式センサー」を使っています。
このセンサーには、水分を吸ったり出したりする薄い膜がついています。
湿度が高くなると膜が水分を吸収し、その膜の電気的な性質が変化します。
その変化を読み取り、湿度として表示するのです。
また、「抵抗式湿度センサー」というタイプもあり、こちらは湿気によって材料の電気抵抗が変わる仕組み。
温度計と似ていますが、測っているのは水分による抵抗の変化です。
水分が多いほど電気が通りやすくなるため、その通りやすさ・通りにくさを湿度として表しているのです。

湿度や温度を数字としてみる
そんな温度計湿度計ですが、そもそも温度や湿度を数字として見るメリットはなんでしょうか。
私たちの体は、暑さや寒さ、湿気に敏感ですが、「なんとなく暑い・寒い」といった感覚は人それぞれ違います。
そこで、温度や湿度を数字として見える化すると、客観的に環境を判断できるようになります。
たとえば「湿度が60%を超えるとカビが生えやすくなる」「冬に湿度が40%以下になるとウイルスが活発化しやすくなる」「温度と湿度の組み合わせで熱中症のリスクの高さをチェックできる」
こうした場面で、デジタル温湿度計が大活躍するのです。
天気予報もこうした手助けをしてくれますが、身近に温湿度計が一つ置いてあることで、自分がいる「その空間」の数値を知ることができるため、より効果的な対策や行動が取れるようになります。

まとめ
普段何気なく見ている温度や湿度の数字。
でも、その裏には小さな電子部品が、温度や湿気の変化を感じ取り、計算し、私たちにわかりやすく伝えてくれているのです。
ただの数字と思わず「この数字はどう出てきたんだろう?」とちょっと考えてみてください。
科学は、いつも身近なところに存在しています。
