意外と知らない?「神社」と「お寺」の違いとは

日本人にとって身近な存在である神社とお寺。
初詣や合格祈願、旅行の途中など観光がてらで何気なく立ち寄ることも多いですが、「そもそも神社とお寺ってどう違うの?」と聞かれると、現在の人は意外と答えられない人が多いのではないでしょうか。
実は私もその1人でした。
この記事では、そんな神社とお寺の違いについて、見分け方から参拝マナー、ちょっとした雑学までを分かりやすくご紹介します。
神社とお寺、基本の違いまとめ
まずはざっくりとした違いから見てみましょう。
神社
神社は日本古来の宗教「神道」に基づく施設で、八百万(やおよろず)の神様を祀っています。
参拝の目的は主に「ご利益」を願うことで、現世利益(病気平癒、安産、商売繁盛など)を求める人が多いです。
神社の象徴的な建築物には「鳥居、注連縄、神輿」などがあります。
これらは神様の聖域を示すもので、特に鳥居は神域への入口としての役割があります。
神社の運営・管理は「神職(神主や宮司)」が担っており、神様への奉仕を行っています。
お寺
お寺は「仏教」に基づく施設で、如来や菩薩といった仏様がご本尊として祀られています。
参拝の目的は供養や感謝、悟りへの祈りといった精神的な目的が中心です。
「仏像や五重塔、梵鐘」などがシンボルであり、静けさと厳かさを感じさせる空間が特徴です。
お寺を管理しているのは「僧侶(住職や和尚)」で、読経や法要を通して仏法を伝える役割を果たしています。
神社は「神様にお願いをする」場所。お寺は「仏様に祈る」場所。
そんな風にイメージすると分かりやすいですね。

「宮」は神社?名前で見分けるコツ
施設の名前からもある程度、神社かお寺かを見分けることができます。◼ 神社系の名前
- ○○神社
- ○○大社
- ○○宮(例:明治神宮、八幡宮)
- ○○天満宮、稲荷神社 など
「宮(みや)」とついていれば、ほぼ神社です。
◼ お寺系の名前
- ○○寺(てら/じ)
- ○○院(いん)
- ○○庵(あん)
- ○○山(さん)←山号というお寺独特の名乗り
ただし、「弁財天」のように神社とお寺が融合した例もあるので注意。

お参りマナーの違い
参拝の仕方も、神社とお寺では異なります。
間違っていても怒られることはありませんが、正しく参拝できると気持ちも引き締まります。
◼ 神社の作法
- 鳥居の前で一礼してからくぐる(神様の聖域に入る合図)
- 手水舎で両手と口を清める
- 拝殿で「二礼二拍手一礼」
※帽子は脱ぎ、音を立てて拍手を打つのがポイント。
◼ お寺の作法
- 山門で軽く一礼(帽子を取るとより丁寧)
- 手水で清める(神社と同様)
- 本堂で静かに合掌(拍手はしない)
※「お祈り」というより、「祈念」「感謝」の気持ちで手を合わせましょう。
ただし、「弁財天」のように神社とお寺が融合した例もあるので注意。
神社に鐘がない理由/お寺に鳥居がない理由
神社には「鐘(かね)」がありません
これは、鐘が仏教の法具であり、神道の儀式には登場しないためです。
お寺に「鳥居」がないのは、鳥居が神様のいる領域を示す神道特有の構造物だから。
とはいえ、明治以前の「神仏習合」の時代には、神社に仏像があったり、お寺に鳥居があったケースも存在しました。
現在でもその名残が見られる場所があります。

まとめ:これで迷わない!お参りの作法と見分け方
神社とお寺、どちらも大切な日本の文化。
でも、成り立ちや祈り方、雰囲気にはちゃんと違いがあります。
神社は神道、お願いごとがメイン
お寺は仏教、供養や感謝がメイン
名前や参拝の作法に注目すると見分けやすい
次にお参りに行くときは、それぞれに込められた意味や目的が異なるということを少しだけ意識してみることで、きっとこれまでより深い祈りの時間になるはずです。
この記事を書いた人
『イートラスト株式会社 総合サポート本部 Webデザイナー』
笑うと目がなくなるタイプのWebデザイナー(見習い)
趣味は、散歩・読書・コジコジ。最近気になるものは、妖怪。特に河童。