漫才の定義は年々、進化している?

漫才の定義は年々、進化している?

漫才は、日本の豊かな演芸文化の一環であり、笑いを通じて観客との心の交流を生み出す芸術形式です。


その起源は江戸時代にまで遡り、寄席や舞台での口演が発展してきたものです。


漫才はコントラストのあるキャラクター、ユニークなセリフ、そして独特のリズム感に特徴があり、二人一組での掛け合いが重要な要素となっています。


戦後のテレビ普及によって全国的に親しまれ、多くの名だたる漫才師が輩出されました。


漫才の定義は進化しているのか、歴史を振り返りつつ、明らかにしていきます。



漫才の歴史

漫才は、日本の伝統的な演芸形式であり、その歴史は長くさかのぼります。


漫才の起源は、江戸時代の寄席や狂言、落語、講談などの芸能から派生しています。


以下に、漫才の歴史の主要な時期を紹介します。

●江戸時代(17世紀~19世紀初頭)

寄席や舞台芸能での寸劇や軽口、落語が漫才の元となりました。

特に寄席の大広間では、二組の噺家(はなしか)がお互いの芸を競い合う「口合い」が行われ、これが後の漫才の原型となりました。

●明治時代(19世紀末~20世紀初頭)

寄席での「口合い」がさらに発展し、新たな漫才師が登場しました。

この時期には、男女の漫才師が組んでコンビを組むことも一般的になりました。

●大正時代~昭和初期(1912年~1930年代)

漫才は寄席の主要な演目となり、新しいスタイルが登場しました。

特に「独演会」が盛んで、一人の漫才師が複数の役を演じ分け、独自のキャラクターを確立するようになりました。

●昭和中期~戦後(1940年代~1950年代)

戦後の混乱期を経て、漫才はラジオやテレビなど新しいメディアで広く親しまれるようになりました。

これにより、新たな人気漫才師が登場し、全国的な知名度を得るようになりました。

●昭和後期~平成時代(1960年代以降)

テレビの普及とともに漫才は大衆のエンターテインメントとして一層根付き、多くの漫才コンビが誕生しました。

『オールスター紅白大運動会』や『笑っていいとも!』などのバラエティ番組で漫才が盛んに行われ、新しいスタイルやユニークなキャラクターが生まれました。


今日でも多くの漫才コンビが活躍し、漫才は日本のエンターテインメント文化の重要な一翼を担っています。


そこで、漫才の日本一を決定できるのがM-1グランプリです。


2023年も12月24日に開催されたM-1を振り返りながら「漫才の定義」について考えていきます。

日本1の漫才師を決めるM-1


M-1グランプリは、日本のお笑いコンビによる大会を指します。


M-1グランプリは、コンビで参加し、漫才のネタで対決する大会で、日本のお笑い界で最も権威ある賞の一つとされています。


M-1グランプリの形式は、対戦方式で行われ、コンビがユニークで笑いのセンスを競い合います。


審査は対戦相手との面白さの差、構成力、ノリ、クオリティなどが総合的に評価されます。


勝ち進んだコンビが次々と対戦し、最終的に優勝者が決定されます。


プロ・アマを問わず、最も面白い漫才師を決定する漫才頂上決戦です。


2001年から2010年まで開催されており、2011年から2014年の4年間は一時休止していました。


初回の2001年には1,603組が参加しています。


「結成15年以内」という出場資格が定められているなか、ここ最近は毎年、史上最多を更新しています。


2023年の大会では8,540組がエントリーしました。


毎年毎年、気鋭の漫才師たちによって新しいかたちの漫才が披露され、判定を下され、そこで漫才の歴史が作られていきます。


歌ネタの評価が低かったり、「これは漫才ではない」と言われたり…


2020年には優勝したマジカルラブリーが、2021年には決勝に進出したランジャタイなど、毎年のように、これは漫才なのか論争が巻き起こっています。


では、漫才の定義とは何でしょうか。

漫才の定義は時代によって変わる

ダウンタウンの松本人志がかつてのこした言葉に「漫才に定義はない。


あえて定義を設けて、定義を裏切ることが漫才」という言葉があります。


毎年のM-1グランプリを見ても分かる通り、漫才の定義に対する許容範囲は広がってきています。


つまり、「漫才」の定義は、新しい漫才が作られ、それが世間で認められることで、漫才の定義が塗り替えられていくのです。


新しい漫才や、これは漫才なのか論争がだめなのではなく、この論争がされることにより、日本の漫才は進化しているといえるでしょう。






◆HanaNoga:http://hananoga.com

この記事を書いた人

梅田 まな

『イートラスト株式会社 総合サポート本部 HPディレクターグループ』

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