任意売却とは?メリット・デメリットを解説!

コロナ禍や円安、ロシアウクライナ侵攻などによる物価高で収入の減少や負担の増加により住宅ローンの支払いが難しい家庭が増えています。
住宅ローンの支払いが滞っている場合や今後支払いを続けることが難しい場合は、任意売却という方法を選択することができます。
任意売却という言葉を聞いたことがある人でも、詳しい仕組みやどんなメリットが得られるのか知らない人も少なくありません。
マイホームを手放すことを考えているのであれば、できるだけリスクを避けた方法を選びたいものです。
そこで今回は、任意売却のメリット・デメリットなどを紹介していきます。
〇そもそも任意売却とは?
住宅ローンを組んで物件を購入すると、対象の不動産に対してお金を貸した金融機関が、抵当権を設定します。
抵当権が設定されると、ローンが支払われなくなった場合、物件を担保として残債を支払う必要が出てくるのです。
抵当権は、ローンを完済することで解除できます。
もちろん、完済しなければ、抵当権を解除することはできません。
ローンを支払えなくなると、物件を売却して、売却益をもとに一括での残債返済が求められますが、中には売却益をもってしても、まとめて返済ができない場合もあります。
「売却してもローンをまとめて返済できないとき」に出てくるのが、「任意売却」です。
売却したとしてもまとめて返済ができない不動産を、抵当権をもつ金融機関による合意を得たうえで売却する方法です。

〇任意売却と競売(けいばい)の違い
ローンの支払いが滞ってしまった場合の売却方法として、「任意売却」の他に「競売」という方法もあります。
どちらもローンを支払えず、残債を支払うために、不動産を手放すことを意味しますが、両者には大きな違いがあります。
任意売却は、金融機関による合意が必要であるものの、売主自身の判断で売却を行います。
通常の売却活動と変わらない流れを取れるので、購入者からの印象も良く、市場価格と変わりない価格で売却できるのが特徴です。
対して競売は、売主の意志とは関係なく、不動産が売りに出されてしまう方法です。
競売は、金融機関から裁判所を通して行われます。
売主がどんなに「手放したくない」と抗議しても聞き入れてもらえる余地はありません。
また、競売では通常の売却活動とは違うルートから入札の形式で売買契約が締結されます。
売却価格も「通常の7割」ほどしか期待できません。
ローンの支払いが滞ってしまった際、ほとんどの人が競売ではなく、任意売却したいでしょう。
しかし、任意売却はローンの滞納から競売を言い渡されるまでの期間に行わなければいけません。
早期売却ができなければ、競売により入札されてしまう恐れもあります。
とにかく「時間との勝負」になると心得ておく必要があります。
〇任意売却のメリット

任意売却には、どのようなメリットがあるのでしょうか。
・競売より適正な金額で売却ができる
任意売却を不動産のプロに依頼すれば市場価格に近い価格でマイホームを売却することができます。
競売は転売目的で入札する人も多いので、高値で購入者が決まる可能性は低いと言えるでしょう。
立地や物件の状態をトータルで判断したうえで、適正な価格で売却を検討できるのは任意売却ならではです。
・差し押さえや立ち退きが発生しない
任意売却なら債権者との交渉によって無理のない返済ができるので、給料の差し押さえや落札後の強制立ち退きを求められる心配がありません。
そのため、金銭面はもちろん精神的な負担も軽減できるのが大きなメリットです。
・近所に家庭事情が知られずに手続きができる
競売が決まれば物件調査のために不動産会社が周辺調査をすることもあります。
そうなれば、近所の人に住宅ローンの支払いが苦しいという家庭事情が知られてしまうことにもなりかねません。
しかし、任意売却なら周辺の人に知られることなく手続きが進められるので安心です。
〇任意売却のデメリット

・手続きに時間や手間がかかる
競売は何もしなくても勝手に話が進んでいきますが、任意売却をするとなると自分からアクションを起こさない限り何も始まりません。
債権者との交渉を円滑に進めるためには、しっかりサポートしてくれる専門知識を持つ人の存在が大きいと言えます。
・保証人の同意を得られなければ任意売却の手続き自体進めることができない。
任意売却を希望する場合は、債権者との交渉以前に保証人の理解を得ておく必要があります。
なかには同意を渋る人もいますが、保証人にとっても競売よりもメリットが大きいということをしっかり説明しながら説得を試みましょう。
ただし、行方不明や音信不通など保証人との連絡がつかない場合は残念ながら競売の一択しかありません。
・希望価格での売却が成立しない可能性がある
競売よりも高値がつきやすい任意売却ではありますが、買い手がつかない場合や債権者の納得のいく売買価格に至らない場合は、解決できずにタイムアップとなり、競売になることもあります。
つまり、債権者との交渉力や不動産売買のスキルなど、依頼する業者選びもリスク回避の大きなポイントと言えます。

〇任意売却の流れ
ローンを滞納してしまい、任意売却を決意した際、どのような流れに沿って進めていけば良いのでしょうか。
任意売却の流れは以下の6ステップです。
- 1.ローン残高の確認
- 2.物件の査定
- 3.債権者に同意をもらう
- 4.売却活動を行う
- 5.売買契約の締結
- 6.残債の支払い

まとめ
任意売却が成功すれば、競売より有利な条件で、物件を手放すことができます。
正しい流れと、「自分の物件の価値」を十分に理解しておく必要があります。
また、協力的な不動産会社を見つけて、共に売却活動を行うことも、重要なカギとなります。
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株式会社アブローズ
この記事を書いた人
『イートラスト株式会社 CS・テクニカルチーム 課長/ B-rise運営事務局 副局長』
飲食業界で現場・SV・マーケティングを経験し、2014年イートラスト株式会社へ入社。ディレクター業務・カスタマーサポート業務を経て、現在はSEOやホームページ運用全般を請け負う「テクニカルチーム」を立ち上げ、責任者を担う。飲食業界に携わっていたこともあり、サービス業様へのWebマーケティング・SEO/MEOで貢献していくため、日々新しい試みを模索している最中です。