年末調整と確定申告の違いをわかりやすく解説

毎年の税金に関わる言葉としてよく聞く「年末調整」と「確定申告」。
会社員でも、どちらかは対応が必要です。
しかし、違いを明確に説明できる人は意外と少ないもの。
どちらも所得税の精算手続きではありますが、目的や対象者、タイミングが大きく異なっています。
この記事では、それぞれがどんな制度で誰が行うべきなのか、わかりやすく解説していきます。
年末調整とは?
年末調整は、会社が従業員の代わりに所得税の過不足を精算する手続きです。
毎月の給与から天引きされている所得税は概算(見込み)のため、年末に年間の収入に基づいた正しい税額へ調整を行います。
▼対象となる人
・会社やアルバイト先で給与を1カ所から受ける人
・原則としてサラリーマン・パート・アルバイトなど
▼主な控除項目
・生命保険控除
・扶養控除
・社会保険料控除
・配偶者控除 など
生命保険料控除とは?
毎年払っている生命保険料の一部を、税金の計算から引いてくれる制度です。
つまり…
? 保険料を払っていると、そのぶん税金が安くなる!
という仕組みです。
対象になる保険は、
【死亡保険、医療保険・がん保険、個人年金保険】の大きく3つです。
申請することで、結果として 所得税+住民税が安くなります。
税金の「扶養」はどこからどこまで?
学生のうちは「扶養から外れる」や「103万の壁」とよく耳にしていましたが、社会人になると扶養の仕組みはどのように考えればいいのでしょうか。
? ズバリ、生活費を主に負担している親族で、一定の年収以下の人が対象です。
■社会人になったら、基本的に「扶養には入らない」
なぜなら…
・あなたが給与収入を得ている
・年収が 103万円(所得48万円)を超える
・生活費の主な負担者が「あなた自身」になっている
➡ 税金の扶養(扶養控除)の対象外
➡ 社会保険の扶養にも入れない
➡ 生活費を親が払っていても、税務上は「本人が稼いだ時点で自立扱い」
つまり、
社会人になった瞬間、親の扶養からは原則外れる
生計が一緒でも関係なし!ということです。
年末調整は会社が書類回収から税金計算まで行うため、従業員は提出書類をそろえるだけで完了します。
確定申告をせずに済むのが大きなメリットです。
確定申告とは?
確定申告は、自分で税額を計算し申告・精算する手続きです。主に自営業者のイメージがありますが、会社員でも場合によって必要となります。

▼対象となる人
・副業で20万円を超える収入がある
・医療費が一定額を超えたため、医療費控除を受けたい
・住宅ローン控除の1年目
・年末調整の出来ない保険料控除を追加したい
・2箇所以上から給与をもらっている
・投資や仮想通貨で利益が出た
・ふるさと納税の寄付先が6自治体以上 など
ふるさと納税は会社でやってくれるの?
ふるさと納税は、自分自身で申告する必要があります。
主に
・ワンストップ特例を使わない人
・寄付先が6自治体以上ある人
・個人事業主
・年末調整で控除できない控除がある人(医療費控除や住宅ローン控除など)
■手順
〇寄付先が6自治体以上の場合
寄付後、自治体から届く「寄付金受領証明書」を保管し、
確定申告書を作成し、税務署またはe-Taxで申告書を提出
〇ワンストップ特例
寄付後、自治体から届くワンストップ特例申請書に必要事項を記入し、
翌年1/10必着で郵送
※寄付先が複数ある場合は、届いたすべての申請書を返送する
※期限を過ぎると確定申告が必要となる
確定申告は、毎年 2月16日〜3月15日(原則)に税務署またはオンライン(e-Tax)で行います。手間はありますが、支払うべき税金の正確な精算ができ、税金が戻ることも少なくありません。
おわりに
年末調整は会社員が通常受ける税金の調整であり、確定申告は自分で行う申告手続きです。会社が手続きしてくれるか、自分で行うかが大きな違いとなります。どちらも「払い過ぎた税金は戻り、不足は納める」という点は同じです。
もし自分がどちらに該当するか分からない場合は、勤務先の担当者や税理士、税務署に相談するのがおすすめです。制度を正しく理解して、損のない納税を目指しましょう。


