睡眠の質とは?8項目のセルフチェックと質を高める3つの対策

皆さんしっかり睡眠は取れていますか?
良質な睡眠は身体や心の健康にとって非常に重要とされています。
では、質の高い睡眠とはどんなものでしょうか?
今回は睡眠の質についてのセルフチェックと睡眠の質を高める方法についてお伝えします。
睡眠の質とは
睡眠の質は睡眠時間だけでなく、深い眠りを経験することや目覚めの爽快さなども指標となります。
また、日中の生活や体内リズムの状態も含めさまざまな方面から評価されます。
質の高い睡眠はストレスの軽減や免疫力の向上、精神的な健康にも寄与し、質の低い睡眠は逆にストレスの増加や免疫機能の低下を及ぼし、さらに認知機能の低下や日中の眠気による生活機能の低下に影響します。

睡眠の質のセルフチェック
自分の睡眠の質はどの程度か知るために、WHOを中心とした「睡眠と健康に関する世界プロジェクト」によって作成された世界基準の睡眠評価をご紹介します。
「アテネ不眠尺度(AIS)」の8項目
過去1カ月間に、少なくとも週3回以上経験したものを選んでください。
以下の8項目をそれぞれ4段階(0~3点換算)で回答し、最大24点で数値化してください。

1.寝床についてから実際に寝るまで、時間がかかりましたか?
- □0点:いつもより寝つきは良い
- □1点:いつもより少し時間がかかった
- □2点:いつもよりかなり時間がかかった
- □3点:いつもより非常に時間がかかった、あるいは全く眠れなかった
2.夜間、睡眠の途中で目が覚めましたか?
- □0点:問題になるほどのことはなかった
- □1点:少し困ることがある
- □2点:かなり困っている
- □3点:深刻な状態、あるいは全く眠れなかった
3.希望する起床時間より早く目覚めて、それ以降眠れないことはありましたか?
- □0点:そのようなことはなかった
- □1点:少し早かった
- □2点:かなり早かった
- □3点:非常に早かったか、全く眠れなかった
4.夜の眠りや昼寝も合わせて、睡眠時間は足りていましたか?
- □0点:十分である
- □1点:少し足りない
- □2点:かなり足りない
- □3点:全く足りない、あるいは全く眠れなかった
5.全体的な睡眠の質について、どう感じていますか?
- □0点:満足している
- □1点:少し不満である
- □2点:かなり不満である
- □3点:非常に不満である、あるいは全く眠れなかった
6.日中の気分はいかがでしたか?
- □0点:いつも通り
- □1点:少し滅入った
- □2点:かなり滅入った
- □3点:非常に滅入った
7.日中の身体的および精神的な活動の状態はいかがでしたか?
- □0点:いつも通り
- □1点:少し低下した
- □2点:かなり低下した
- □3点:非常に低下した
8.日中の眠気はありましたか?
- □0点:全くない
- □1点:少しあった
- □2点:かなりあった
- □3点:激しかった
いかがでしたか?
合計点数は下記のように判断されます。
・1~3点:睡眠がとれています
・4~5点:不眠症の疑いが少しあります
・6点以上:不眠症の可能性が高いです
まずは自分の生活習慣や睡眠環境を見直し、睡眠の質を高めるための対策を行ってみましょう。
日中の不調や生活への影響が続いている場合は、専門の医療機関へ相談することを検討してください。

睡眠の質を高める3つの方法
睡眠の質を高めると言われる方法を3つご紹介します。
無理に取り組もうとせず、出来るものから取り入れてみましょう。
光をコントロールする
まず気にしたいのが「明かり」です。
私たちの体は起床時に太陽光などの光を浴びることで、14‐16時間後に眠りのスイッチが入るようになっています。
朝浴びるべき光を夜にも浴び続けると、この仕組みは上手く働きません。
特にブルーライトの影響は大きいので、就寝前はできるだけスマホやパソコンなどの液晶画面は目にしないようにしましょう。
外のLEDを使用した看板など室内に入りこむ光があれば、遮光カーテンでブロックすることも有効です。
反対に目覚めた時は出来るだけ太陽の光を浴びて日中も明るい環境で過ごすようにしましょう。
体内時計が整い、夜に入眠しやすくなります。

睡眠を中断させるものを排除する
就寝中、覚醒につながるような要因も取り除くため、就寝前は利尿作用があるものは飲まないこと、出来るのであれば子どもやペットと同じベッドで寝ないことも心掛けましょう。
日中の塩分の摂り過ぎや夕方以降のカフェインも眠りを妨げる要因となります。
睡眠の質を下げないようにするためには、遅くとも就寝時刻の4時間前からはカフェインを摂らないようにしましょう。
摂取量は、1日あたり400mg(コーヒーマグカップ約3杯)程度が目安です。
また、肥満が主な原因の「睡眠時無呼吸症候群」も睡眠サイクルの妨げになるので、治療を受けることが大切です。

上手に昼寝やマインドフルネスを行う
日中に眠くなったり疲れが取れずに体を休めたりしたくなることもあるでしょう。
対策としては、昼寝も有効です。
目を閉じて視覚情報を遮断することで脳の疲れをとることができると言われています。
夜の就寝時間に影響しない12~16時に、かつ本格的な眠りに入らないよう、10~20分くらいの長さにしておきましょう。

最後に
自分の睡眠の質はどうでしたか?
睡眠の質を高めるためには、睡眠だけでなく生活習慣全体を見直すことが重要です。
今日から始められる実践方法も紹介したので、気になる方はひとつだけでも取り入れてください。