2022 年 6 月 21 日公開
今こそ読みたい!?大人向けのおすすめ絵本
子どもの頃、繰り返し読んでいたお気に入りの絵本。
大人になるにつれて手にとる機会が減っているのではないでしょうか。
そもそもお気に入りだった自分の絵本を思い出せない方
絵本は「子供が読むもの」そう思ってる方も少なくはないかと思います。
そんな貴方に向けて大人になった今だからこそ読みたいオススメの絵本をご紹介します。
不朽の名作
100万回生きたねこ
- 作者・・・佐野洋子
- 出版社・・・講談社
- 出版年月・・・1977年10月
100万年もしなないねこがいました。
100万回もしんで、100万回も生きたのです。
りっぱなとらねこでした。
100万人の人が、そのねこをかわいがり、100万人の人が、そのねこがしんだときなきました。
ねこは、1回もなきませんでした。
輪廻転生を繰り返す一匹の猫が、運命の相手に出会って恋に落ち、家庭を築き、長い長い人生の果てに大切な人をなくすことで、初めて愛と悲しみを知ります。
哲学的な要素を多く含み、読み手によって物語の解釈が異なる大人向け絵本の代表作です。
お母さんお父さんにオススメ
ちいさなあなたへ
- 作・・・アリスン・マギー
- 絵・・・ピーター・レイノルズ
- 訳・・・なかがわ ちひろ
- 出版社・・・主婦の友社
- 出版年月・・・2008年3月
あのひ、わたしは あなたの ちいさな ゆびを かぞえ、
その いっぽん いっぽんに キスを した
このフレーズから始まる物語の中には親でいることの喜び、不安、苦しみ、寂しさ、すべての感情が詰まっています。
子供を持つ親、これから親になろうとしている方、親から巣立とうとしている方
読み手の感情にそっと寄り添う作品です。
恐怖の絵本
ギャシュリークラムのちびっ子たち
- 作・・・エドワード・ゴーリー
- 訳・・・柴田 元幸
- 出版社・・・河出書房新社
- 出版年月・・・2012年10月
AからZまでが名前の頭文字についた子どもたち。
登場と同時に次々と死んでいきます。
段から落ちる、びょうを飲む、火だるまになる、線路で圧死、沼でおぼれる、オノでグサッ、ケンカのまきぞえ
26人の子どもたちは、実に26通りの事故や犯罪に遭って、死んでいきます。
物語全体で気味の悪い雰囲気が漂い、読後は形容し難い気持ち悪さがあります。
マザーグース風の2行ずつ脚韻を踏んだ軽快なテンポのうたに乗って子供たちの死ぬ様子を語ります。
言葉に秘められた力
翻訳できない世界のことば
- 作・絵・・・エラ・フランシス・サンダース
- 訳・日本語描き文字・・・前田まゆみ
- 出版社・・・創元社
- 出版年月・・・2016年4月
外国語のなかには、他の言語に訳すときに一言では言い表せないような各国固有の言葉が存在します。
この作品では「翻訳できない言葉」を世界中から集め、著者の感性豊かな解説と瀟洒なイラストを添えた世界一ユニークな単語集です。
「commuovere:イタリア語・動詞:涙ぐむような物語にふれたとき、感動して、胸が熱くなる」
「pisang zapra:マレー語・名詞:バナナを食べるときの所要時間」
土着的に形成された独自の文化によって、日本語にはない言葉が世界中に存在します。
日本における「わびさび」も一つの例として取り上げられています。
文字がない絵本
アライバル
- 作者・・・ショーン・タン
- 出版社・・・河出書房新社
- 出版年月・・・2011年4月
全編文字が無く、絵のみで語られる異例の絵本です。
架空の国「アライバル」に移住を余儀なくされた主人公の心情や、新しい土地での生活を決意する主人公の行動を絵のみで表現しています。
文字がなくともストーリーを感じることが出来るサイレント映画のような絵本です。
文字がない分、老若男女国籍を問わず楽しめる作品です。
大人が読む絵本の世界
今回は5つの作品をピックアップして紹介しました。
どれも「絵本」というカテゴリーではありますが、大人になった今でも深く考えさせられる作品です。
子供の頃にお気に入りだった絵本を、読み返してみると新たな物語を発見できるかもしれませんね。
是非皆さんも絵本を読んでみてはいかがですか?