2023 年 8 月 18 日公開
水の飲みすぎは危険?正しい水の飲み方とは

猛暑日が続くこの時期に、熱中症対策として水分の補給は欠かせませんよね。
水は私たちの体の中に多く存在し、とても重要な役割を担っています。
その反面で、水は過剰に飲むことで人体に様々なデメリットをもたらす物質とも言われております。
水の過剰摂取がもたらす「水中毒」というデメリットと、それらを予防する正しい水の飲み方についてご紹介していきます。


健康な身体を保つために、水分補給は必要不可欠
毎日適量の水を飲むことは、健康な身体を保つためにとても重要なことです。
水を飲むことの大きなメリットは「脱水症状の予防」です。
私たちは毎日、約2.5ℓの水分を排出(排泄)しています一般的な成人の安静状態における水分排出量)。
出される量が2.5ℓであるということは、摂取する量も2.5ℓでなければ、体内水分量の収支バランスが崩れ「脱水症」を引き起こすことになります。

1日の水分摂取量 2.5ℓ
- ・食べ物から摂取する水分・・・ 1.0ℓ
- ・体内でつくられる水分(代謝水)・・・0.3ℓ
- ・飲み水から摂取すべき水分・・・ 1.2ℓ

1日の水分排出量 2.5ℓ
- ・尿や便・・・ 1.6ℓ
- ・汗や呼吸・・・ 0.9ℓ
「脱水」になると、自覚症状としては口の渇きや体のだるさ、立ちくらみなどを訴えることが多いです。
皮膚や口唇、舌の乾燥、皮膚の弾力性低下、微熱などが起こります。
そのほかに食欲低下、脱力、意識障害、血圧低下、頻脈なども出現しやすいです。

水を過剰に飲み過ぎた場合はどうなる?
水を飲むことの大切さは上記の通りですが、過剰に水を飲むことは人体にとって決していいことではありません。
時として危険な病態を引き起こすこともあるのです。
実際にアメリカのカリフォルニア州に住む28歳の女性が「水飲みコンテスト」で水を大量に摂取した結果(3時間に約6リットルの水を摂取)、「水中毒」になって亡くなった事例があります。

水中毒とは?
水中毒の原因は、一般的には多飲症などにより腎臓の処理能力を超えた水分量を急激に摂取することで、細胞がむくんだり、血液が希釈されてしまうことにあります。
特に、血液中のナトリウム濃度が減少する「低ナトリウム血症」という病態が一般的には水中毒の主な原因として知られています。
そして、ナトリウムという物質はいわゆる塩分のことを指していて、私たちは主に食事などから摂取をしています。
このナトリウムは、血液や細胞内外の体液バランス(浸透圧)を調節したり、神経内で情報を伝達する重要な働きをもっているため、体内でナトリウムの濃度バランスが崩れると、様々な症状が現れてしまうことになるのです。

水の正しい飲み方とは
・ゆっくりと飲む
どんなものでも一気飲みは体に負担がかかります。
特にミネラルを多く含んだ硬水は、味わうようにゆっくりと飲むことで吸収されやすくなります。

・冷えすぎた水を飲まない
暑いときは冷たい水がおいしく感じられますが、冷たすぎると胃に負担がかかります。
冷たい水を大量に飲むと、おなかを壊したり体がだるくなりやすくなります。
常温水もしくは11~15℃くらいの水が理想的です。
・のどの渇きを感じる前
のどが渇いたときは、すでに体内が脱水状態です。
のどが渇く前に少量ずつ、1日に7~8回のタイミングで、コップ1杯程度のお水をこまめに飲むようにしましょう。

水を飲む6つのタイミング
起床後
- 人は眠っているあいだも代謝をしていて、コップ1杯分もの汗をかき脱水状態です。
- 起床後は、できるだけ体に負担のかからない常温水か白湯を飲みましょう。
食事の前
- 食事中にお水をたくさん飲むと消化酵素を薄め、消化不良を起こす可能性があります。
- 食事の30分ほど前にお水を飲むと、食べ過ぎを防ぐ効果があります。

仕事中やおやつタイム
- カフェインの入ったドリンクは気分転換に飲むのはよいですが、利尿作用が働き体を冷やす原因にも。
- 水分補給としてのお水はできるだけノンカフェインのものを摂るようにしましょう。

運動前後
- 体重の2%の水分を失うと軽い脱水症状に陥りやすくなります。
- 運動をする30分前くらいから水分を摂りはじめ、運動中も15分おきに意識して水分補給をするようにしましょう。
入浴前後
- お風呂上がりの体は、水分が蒸発して血管が詰まりやすくなってしまいます。
- 入浴の前後にコップ1杯のお水を飲むと、発汗を促す効果と汗で失われた水分を補えます。

就寝前
- 水分が足りていないと就寝中に脱水状態が続くことになります。
- 就寝30分前にハーブティーや白湯などのノンカフェインの飲みものを摂ると、安眠効果や脱水予防にも効果的です。

まとめ
このように水を正しく飲むことで健康な身体を維持していくことが可能です。
暑い日は過剰に水を飲んでしまいがちですが、水分と塩分をバランス良く摂るようにしましょう。
ということで今回は「水の飲みすぎは危険?」に関しての紹介でした。
まだまだ暑い日が続きそうですので、正しく水分補給をして夏を乗り越えましょう!!
