日本語は世界一難しい言語?難しいと言われるその理由とは
普段から日本語を使用しているわたしたちにはあまりピンと来ない話ですが、日本語は多くの外国人にとって難しい言語と言われています。
特に英語圏では2017年にアメリカ合衆国国務省で「日本語は世界で一番難しい言語である」と正式に日本語の難易度を認定しました。
なぜ日本語を習得するのが難しいと言われているのでしょうか。
文字の種類が多い
日本語が難しいと言われているのはその文字表記の多さです。
英語であればアルファベット、中国語であれば漢字、と他の言語が基本的に文字表記が一つなのに対し、日本語はひらがな・カタカナ・漢字と三つの文字表記があります。
そのためすらすらと文章を読むためには何千もの文字を習得する必要があります。
複数の文字表記がある国もありますが、これほど通常で使用する文字表記が多いのは日本だけだといいます。
言語化されない語彙を読み解くハイコンテクスト文化
基本的に英語をはじめとした多くの言語では主語を省略することは少なく、明確にその存在を示しています。
また「主語+動詞+目的語」というように文章の順序もはっきりとしています。
ところが、日本語では主語や目的語などの略語が多く、「それ」が何を示しているのかの意味合いを理解するのに相手が他の言語に比べて文脈を読むことが求められます。
覚える語彙や表現の仕方が多い
英語やフランス語などの言語では約5,000語を最低でも覚えればおおよそ90%の文章を理解できると言われているのに対し、日本語は頻度の高い5,000語を覚えても理解できるのが80%程度になるそうです。
なぜそこまで多くの語彙が必要になるのか。
それにはいくつか理由があります。
同じ意味でも使い方によって単語が存在?!
まずひとつ目の理由として、日本古来の単語に由来しておりひらがなで書かれることの多い和語や中国由来の言葉で漢字で書かれることの多い漢語、それ以外の外国語から入ってきた外来語など、同じ意味でも微妙に状況や使い方の異なる単語が多く、他の言語と比べてもひとつの単語に多くの同義語・類義語を持ちます。
その言語を理解するために覚えるべき単語数で比べると、フランス語が2,000語、英語が3,000語、ドイツ語が5,000語に対して日本語が10,000語にもなるそうです。
擬音語・擬態語が多い?!
また、擬音語・擬態語などのオノマトペが多いのも日本語の特徴の一つです。
欧米などのかいわではオノマトペが使われることがなく、おおよそ日常会話で使われるのは170程度だと言います。
多いと言われる中国語でも300しかなく、そのなかで日本は600ものオノマトペを使用しています。
まとめ
もちろん日本語に限らずそれぞれの言語には覚えやすさや覚えにくさはそれぞれあるので、どの言語が一番難しいというのはあまりないといえます。
それでも母国語だからこそ感じることのない日本語の特徴を知るという意味では、海外の人の思う「難しさ」に気づかされることもあるかもしれません。