なぜ人の不幸は蜜の味がするの?
「人の不幸は蜜の味」
比較的小さい頃から聞いてきた言葉で、正直に言うと自分も他人の不幸を見てそう感じた時はあります。
そんな経験、皆さんもありませんか?
ことわざとも捉えられるほど浸透している言葉ではある一方、実際に原理まで知っているという方は少ないと思います。
この記事では「人の不幸は蜜の味」そう感じる人間の原理についてご説明いたします。
結論?!
「人の不幸は蜜の味」について気になって調べてみたみたものの、難しい言葉や文章が羅列していて頭がパンクしそうになりましたので、結論を最初にお伝えします。
「妬みに関する脳活動が強い人ほど、他人の不幸を喜ぶ感情を感じやすい。」
これが脳科学的に証明されてしまっているみたいです。
耳が痛いですね。
調べなければ良かったと思いました。
何か人間として汚く、弱い部分を知ってしまった気分です。
しかし、これは誰しも感じたことがある感情であり、この気持ちとの向き合い方を記事の後半でご説明していきます。
他人の不幸を喜ぶ脳内のメカニズム
上記で「人の不幸は蜜の味」という言葉には、嫉妬心が関係していることをお伝えしましたが、ここではその根拠をお伝えします。
独立行政法人放射線医学総合研究所の高橋英彦主任研究員達が人が妬みを持つ感情と他人の不幸を喜ぶ感情に関する研究を行いました。
その結果、妬みの感情には前部帯状回と呼ばれる脳内部位が関連していて、妬みの対象の人物に不幸が起こると報酬に関連する部位である線条体が活動することがわかりました。
ストレートに言うと、「自分が妬んでいる人が不幸になっているのを知った時、何か成果を得た感覚になる。」ということですね。
さらに、妬みに関連する※前部帯状回の活動が高い人ほど、他人の不幸に対して線条体が強く反応することが分かりました。
※注意機能といった認知機能や情動反応にも関わる。 また痛みや葛藤の処理にも関わっている部分。
この研究で、妬みや他人の不幸を喜ぶ感情に関する理解を深めることができたことにより、非道徳的な行動や犯罪を防ぐための、科学的な心理カウンセリングや治療法の発展が期待されているみたいです。
「人の不幸は蜜の味」という言葉の原理を研究した人がいるのも驚きましたが、その研究結果が、心理カウンセリングや心に痛みをもった方の治療に役立つ可能性があるのはすごいですね!
嫉妬心との向き合い方
ここまでの内容で「人の不幸は蜜の味」という言葉の原理をお伝えしてきましたが、その言葉の根本には「妬み」が深く関わっており、嫉妬と聞くとあまり良いイメージが湧かないかと思います。
他人の失敗を見て内心喜んでしまった自分や、他人を妬ましく思ったことに対して、自己嫌悪に陥ってしまう場合もあります。
しかし、「人間は嫉妬から逃れられません。」というのも、個人の意思とは関係なく、人間は、人の不幸を見ると勝手に脳の「報酬系」「快楽中枢」と呼ばれる場所が活発になります。
つまり、避けられないことなんです。
「嫉妬」はどんなに立派で充実した人生を歩んでいる人でも抱えたことがある感情です。
「嫉妬してしまった自分=嫌な人間」というわけでは決してありません。
とはいえ、他人に嫉妬するというのは苦しいことです。
その感情とどう向き合うかが大切です。
評価の基準を他人などの外ではなく、自分の中に設けてみましょう。
比較・競争というのは時に自分を成長させてくれますが、常に「嫉妬心」がついてきます。
自分の中に「軸」をもちましょう。
他人は他人、自分は自分です!
ポジティブ思考で「自己肯定感」を高めていきましょう!