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2024 年 1 月 6 日公開

意外な落とし穴!50Hzと60Hzの違いとは?

意外な落とし穴!50Hzと60Hzの違いとは?

引っ越しの際、以前から使用していた家電が引っ越し先で使用できないと相談を受けました。


「長い間使用していたから故障じゃないの?」と思っていたのですが、実は故障ではなく電気の周波数が違う地域への引っ越しだった為に起こったようです。


なぜ50Hzと60Hzと異なる周波数が存在するのか、対処法なども合わせてご紹介します。





周波数で50Hzと60Hzが存在する理由は?

まず、周波数って何?と思われる方もいらっしゃると思います。


周波数とは、1秒間に流れる電気が変化する回数のことです。


コンセントから得られる電気は、波のように大きくなったり小さくなったりを繰り返します。その1秒間における波の数(大小で1セット)が電源周波数です。周波数は「Hz(ヘルツ)」という単位で表されます。


もう少し詳しく説明すると、乾電池やバッテリーに使われる電気が「直流」に対して、コンセントを介して電力会社から供給される電気は「交流」なんです。交流の電機は定期的にプラスとマイナスが何度も入れ替わり、電流の向きが交互に入れ替わります。



周波数とはこの電気の1秒間に切り替わる回数のことを指します。


勘の良い方はなんとなくピンときたのではないでしょうか?


そう、「50Hz」は1秒間に50回、「60Hz」は1秒間に60回切り替わる周波数ということです。

そもそも何故日本に2種類の周波数があるの?

ほとんどの国は「50Hz」か「60Hz」とどちらかに決まっています。(すべての国ではありませんが、日本のような状況はかなり稀です)


では、なぜ日本には50Hzと60Hzの周波数が存在するのでしょう?


話は明治時代まで遡ります。


日本で電気が使われるようになったのは、明治時代に入ってからのこと。
その頃の日本では、電気を作る為の発電機を外国から輸入しなければなりませんでした。


その際に、東京には東京電灯が浅草発電所にドイツより50Hzの3相交流発電機を導入、大阪には大阪電灯が幸町発電所にアメリカのGE社から60Hzの交流発電機を導入しました。


ここが「50Hz」と「60Hz」と2つの周波数が生まれてしまったタイミングなんです。(もちろん今でもこの2国はそのままの周波数ドイツは50Hz、アメリカは60Hzとして使われています。)



その後も、各地で電気事業が発足しましたが、現在とは違い当時はお互い繋がれていませんでしたので、各地域でいろいろな周波数の電気が使われていました。その後、第二次世界大戦中から戦後にかけても、何度か周波数統一の検討が行われたようですが、一部の地域(九州や東北の一部)を除き、周波数統一は進みませんでした。


これによって、結局は現在のように、50Hzと60Hzが両立することになったのです。

50Hzと60Hzの境目はどこ?

現在では新潟県の糸魚川と静岡県の富士川を結ぶ線を境目にして、西側では「60Hz」東側では「50Hz」となっています。
具体的な電力供給会社としては、北海道電力・東北電力・東京電力が50Hz地区、中部電力・北陸電力・関西電力・四国電力・中国電力・九州電力・沖縄電力が60Hz地区、中部電力が混合地区です。



新潟県、長野県の一部では50Hzと60Hzが混在する地域が存在するので電力供給会社に確認してみてください。

周波数が違うと電化製品は使えないの?

50Hzもしくは60Hzを基準として作られている電化製品を異なる周波数の状況下で使用すると、モーターの回転数が変わって性能が低下したり、過剰に働いて火災の原因となったりします。


場合によっては電化製品が痛み、故障を早めてしまう可能性もあるでしょう。



製品には「50Hz」「60Hz」「50/60Hz」など周波数に関する記載がありますので、そこを確認しましょう。


近年では50Hz・60Hzのどちらでも使用できる電化製品も増えてきています。
エアコンやパソコンといった機器は、もともと周波数に関係なく使用できるほか、モーターの周波数を適切に変えて回転数を調整する「インバーター」が内蔵されている、ヘルツフリーの製品も多く登場してきています。
ですので、近年の製品は動作不良を起こす心配はほとんどないでしょう。

そのまま使用できる電化製品

エアコン・テレビ・パソコン・こたつ・温水器・電気ストーブ

使用可能だが多少性能が落ちる可能性のある電化製品

掃除機・扇風機・ミキサー・ドライヤー

周波数の確認が必要な電化製品

洗濯機や乾燥機・冷蔵庫・電子レンジ・蛍光灯(インバーター内蔵なら大丈夫です)



まとめ

いかがでしたか?


なかなか日常生活では遭遇する機会が少ないとは思いますが、東日本から西日本などへの引っ越しの際には覚えていきたいですね。

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この記事を書いた人

矢部 峻一

『イートラスト株式会社 テクニカルチーム 主任/ B-rise運営事務局 副局長』
飲食業界で現場・SV・マーケティングを経験し、2014年イートラスト株式会社へ入社。ディレクター業務・カスタマーサポート業務を経て、現在はSEOやホームページ運用全般を請け負う「テクニカルチーム」を立ち上げ、責任者を担う。飲食業界に携わっていたこともあり、サービス業様へのWebマーケティング・SEO/MEOで貢献していくため、日々新しい試みを模索している最中です。

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