【外見至上主義】見た目で人を評価する「ルッキズム」とは
みなさんは「ルッキズム」という言葉をご存じだろうか。
ユーキャンが毎年発表している『ユーキャン新語・流行語大賞』の2022年にノミネートされている「ルッキズム」。
聞き慣れない方も多いと思うので、この記事では「ルッキズム」について解説していきます。
『ルッキズム』とは
ルッキズムとは、外見に基づく差別や偏見のことを言います。
英語の「look(外見)+ism(主義)」を組み合わせた言葉で、日本語では「外見至上主義」などと言われます。
簡単に言うと、その外見でその人の価値を決めることです。
例えば、あの人はかっこよくないから頭も悪いだろう、あの人は美人だから気が遣えて優しい人だ。
あの人は太っているから自己管理ができないなど、外見の評価に基づいてその人の性格や能力を判断するものです。
ルッキズムの起源
ルッキズムという言葉自体は1970年代のアメリカで生まれたもので、50年前から使われている言葉です。
しかし、言葉が広まる前から、人間が「美」に対して、評価を下すことは多かったようです。
人間同士ではもちろんですが、動物保護なんかも見た目の美しい動物はしっかり保護しているのに対して、そうではない動物の保護はそこまで力を入れていないと言われることもあります。
メディアのせいで顕在化したルッキズム
SNSやインターネットの普及によって、「美」の比較対象が芸能人やインフルエンサーなどになったことで、ルッキズムは一気に顕在化しました。
それは、外見以外に仕事や年収などにも影響が大きいと言われています。
下がっていく自己肯定感
比較の対象が芸能人や経営者などという大きいものになったことで、外見や年収は一見、下に見えることが多くなります。
自身と比較するのはもちろん、判断基準がかなり上がったことで、他人を評価する人が多くなりました。
学校で教師が外見で評価を決めたり、仕事の昇降格にも影響があると言われています。
恋愛においても恋人に対し、「もう少し痩せてほしい」や「写真を撮るときにマスクをしてほしい」など生活のいたるところにルッキズムが浸透しています。
もちろん評価を下された方は、自己肯定感が低下していき、引きこもりや摂食障害などの影響が出る場合もあります。
ルッキズムはなくならない
人間の長い歴史の中で形成されたルッキズムはなくなることはないでしょう。
それは動物やキャラクター、デザインを独自の「美」の判断で好き嫌いを決めるのと同じことだからです。
ただ、それで能力や人の価値を決めるのは本来はすべきことではないかもしれません。
どこを比べるかは自身の指標で
歳を取るにつれて判断基準は変わっていきます。
根底には外見があるかもしれませんが、仕事のしかた、価値観、能力を重視する人も多くなっていきます。
また、外見の評価は人によって変わるのでどう評価されるかは、その人によるのです。
比較対象が大きくなってしまったことでルッキズムが顕在化している現代。
どう乗り切っていくかはその人次第です。
この記事を書いた人
『イートラスト株式会社 テクニカルチーム』
青森県出身。8年間、小売業界に従事しつつ趣味でライターとして活動。大手サイト(Yahoo!、朝日新聞社)の記事投稿やTokyoFMのラジオ出演の経験も。2022年にイートラストに入社。好きなものは家電、インディーズ音楽、動画編集。