最近、よく目にする「ピスタチオ」って何?含まれている主な栄養素は?
最近、コンビニやスーパーなどでよく目にする「ピスタチオ」。
ピスタチオクリームやアイスなどスイーツ商品として多くの商品が発売されています。
ピスタチオって名前は知ってるけど、どんなものなのかよくわからないという方のために、今回は「ピスタチオ」をご紹介していこうと思います。
ピスタチオって、一体なに?
ピスタチオはスイーツやお酒のおつまみとして、様々な食べ方が楽しめるとても人気のあるナッツです。
ピスタチオ(英名:pistachio)とは、鮮やかな緑色が特徴的なナッツの一種です。
ウルシ科カイノキ属の落葉樹で、赤みがかったしわのある果実を、ブドウのような形のどっしりとした房状にして付けます。
ピスタチオの実は熟すと、実は黄紅色に染まった薄皮に包まれ、完熟すると外殻は自然に縦に割れて収穫されます。
8月末~10月にかけて果皮が弾け始めると収穫期を迎えます。
雌雄異株であり、木の高さは10mほどにも成長します。
ピスタチオという名前は、ペルシャ語の「ペステ」が語源と言われ、ラテン語を通じてヨーロッパ諸国の言語に取り入れられていきました。
栄養価が高いことから「ナッツの女王」と呼ばれていますが、割れている殻が笑っているように見えることから「ハッピーナッツ」とも呼ばれています。
ピスタチオの主な生産地
ピスタチオは現在のイランからアフガニスタン地方を含む中央アジアが原産とされています。
元はトルコ南部が主な生産地でしたが、現在はイランが生産量第1位を誇り、次いでアメリカ、トルコ、中国、シリアと続いています。
その中でもイランとアメリカは、ピスタチオ生産と輸出における世界の二大国となっていて、この2つの国だけでピスタチオの世界年間生産量の70~80%を占めています。
イランでは「ラフサンジャン」が最大生産地となっており、アメリカでは「カルフォルニア州」がアメリカで生産されているピスタチオの90%以上を占めています。
イランのピスタチオ生産は数千年前からと遡る一方、アメリカのピスタチオ栽培は1930年代からと比較的最近です。
アメリカのピスタチオ栽培は、イランのピスタチオを移植するところから始まりました。
アメリカで最初に植えられたピスタチオの苗や種子はイランから持ち込まれた品種でした。
世界シェアを誇るイランとアメリカのピスタチオは元をたどれば同じでしたが、アメリカで栽培されたピスタチオはその後、気候や風土の変化によって味も変化していきました。
イラン産のピスタチオは、甘みとコクが強く香ばしいものが特徴で、そのままおつまみとして味わうのがオススメです。
アメリカ産のピスタチオは、穏やかなコクと味わいが特徴で、お菓子や料理に合わせやすいのが魅力です。
ピスタチオを選ぶときに産地もチェックして食べ比べてみるのも面白いかもしれません。
ちなみに日本産のピスタチオはありません。
ピスタチオの木は日照時間が長く乾燥砂漠地帯を好みます。
受粉の時期に雨が多かったり、冬が厳しかったりすると実りも減ってしまうので、日本の気候や風土はピスタチオの栽培は向いていないとされています。
そのため、日本ではピスタチオの栽培はされていません。
ピスタチオは身体にいい?
誰が呼んだか分かりませんが、日本では「ナッツの女王」といえばピスタチオです。
栄養価の高さや味覚の良さ、そして高級感から「ナッツの女王」にぴったりです。
ピスタチオに含まれている主な栄養素は
- ビタミンB2
- ビタミンB6
- オレイン酸・リノール酸
- ルテイン・ゼアキサンチン
- β-カロテン
- カリウム
- 鉄・銅
- 食物繊維
ビタミンB2
ビタミンB2は皮膚や粘膜の健康を維持するために使われるビタミンです。
糖質や脂質、タンパク質の消化を助け、エネルギーに変える役割があります。
そのためエネルギーの消費が多い生活をしている方は、ピスタチオを食べてビタミンB2を補給することをおすすめします。
ビタミンB2は光に弱いため、ピスタチオを保存する際は直射日光の当たらない場所で保管すると良いでしょう。
ビタミンB6
ビタミンB6はタンパク質からエネルギーを生成したり、筋肉や血液を生成する際に使われる水溶性ビタミンです。
また、神経伝達物質の合成にも関わるため、精神の安定に役立ちます。
ビタミンB6は体内でも腸内細菌によって生成されるため、一般的には不足しづらい栄養素です。
ただしタンパク質を多く食べる方は、ビタミンB6も多く消費するため、意識して摂取すると良いでしょう。
オレイン酸・リノール酸
ピスタチオの半分は脂質でできており、太りやすいという印象を持つ方もいるでしょう。
しかし、ピスタチオに含まれる脂質の多くは体脂肪になりにくい不飽和脂肪酸です。
少量であれば肥満を恐れずに食べることができます。
脂質は血糖値を安定させて空腹感を感じることを防ぐ働きもあるため、ダイエットに取り入れると良いでしょう。
不飽和脂肪酸の一種であるオレイン酸やリノール酸は血中の悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やす働きがあります。
コレステロール値が安定することで血管を健康に保ち、生活習慣病を予防します。
また、胃腸の動きを活発にして消化を助ける働きもあります。
リノール酸は体内で生成することができないため、食べ物から摂取する必要がある必須脂肪酸です。
オレイン酸は酸化しづらい脂質ですが、リノール酸は酸化しやすいため、開封したピスタチオは密閉できる袋や容器に入れて、早めに食べ切ると良いでしょう。
ルテイン・ゼアキサンチン
ルテインとゼアキサンチンはカロテノイドの一種です。
ルテインとゼアキサンチンには抗酸化作用があり、有害な紫外線やブルーライトから眼を守る働きがあります。
体内で生成できず、加齢と共に減少するため、食品から摂取すべき栄養素です。
不足すると白内障などにつながるため注意しましょう。
ルテインとゼアキサンチンは一般的に緑黄色野菜に多く含まれますが、ピスタチオと他のナッツ類を比べると、ピスタチオに含まれるルテインとゼアキサンチンの量は断トツで、可食部100gあたり1160µgも含まれます。
β-カロテン
β-カロテンは涙の量を調節し、眼の細胞を正常に保つなど、眼の健康に役立ちます。
また、肌を紫外線から守るなど肌の健康を維持する働きもあるため、美肌効果も期待できます。
ほかにも、体内でビタミンAに変化して抗酸化作用を発揮し、有害な活性酸素から身体を守るほか、免疫の増強効果が知られています。
日本人はビタミンAの多くをβ-カロテンによってまかなっているとされています。そのため、β-カロテンが不足しないよう意識しましょう。
カリウム
カリウムは体内の余分な塩分や水分を排出するため、高血圧予防やむくみの改善に役立ちます。
ピスタチオのカリウム含有量はナッツの中でもトップクラスです。
日本人の食事は塩分が多く使われた料理も多いため、カリウムが豊富なピスタチオが塩分調節の助けとなるでしょう。
鉄・銅
鉄は赤血球の材料であるヘモグロビンを作り、銅は鉄を体内の必要な場所に運びます。
どちらも貧血予防に効果的な栄養素です。
銅には身体の活性酸素を除去する抗酸化作用や、骨の形成を助ける役割もあります。
食物繊維
食物繊維は腸を刺激し排便を促すため、便秘の解消が期待できます。
また、生活習慣病の予防に役立つことも近年の研究でわかってきています。
食物繊維は意識して摂取しないと不足しがちです。
健康なお通じのためにピスタチオでしっかり食物繊維を取り入れましょう。
栄養の吸収率を高めるピスタチオの正しい食べ方
ピスタチオの小さな粒にぎゅっと詰まった栄養素を、できるだけ効率的に吸収するためにはどのような点に注意すれば良いのでしょうか。
1日の摂取量は25g
ピスタチオは半分以上が脂質でカロリーが高いため、満腹になるまで食べ続けているとカロリー過多となってしまいます。
また、食物繊維は一度に大量に摂取するとお腹を下してしまう場合もあります。
ピスタチオを1日にたくさん食べるのではなく、少量を継続的に食べ続けることが栄養素の吸収率を高めるコツです。
加熱せずに食べる
生のピスタチオが手に入れば、加熱せずに食べることをおすすめします。
ピスタチオに含まれる不飽和脂肪酸は熱に弱いためです。
また、ピスタチオに含まれるβ-カロテンは他の食品に含まれる油脂と合わせて摂取すると、一層吸収率が上がります。
こちらの栄養素を意識的に摂取したい場合は、油脂を使った料理と一緒に食べても良いでしょう。
殻つきの状態で売っている場合は手で殻を剥いて食べましょう。
手で殻を割りにくい時は、殻の割れ目に別の殻を差し込み、てこの原理でひねれば簡単に殻を破ることができます。
ぜひ試してみてください。殻が完全に閉じている場合は、ペンチを使うと殻を破ることができます。
食事のタイミングに合わせて食べる
ルテインや銅などの抗酸化作用を効率的に活用するためには、ピスタチオを食事のタイミングと合わせて食べると良いでしょう。
多くの食事に含まれる老化物質のAGE(終末糖化産物)にピスタチオの栄養素が結合し、吸収を阻害すると考えられているためです。
体内でのAGE生成もピスタチオの栄養素が阻害するとされています。
AGEは体内に蓄積すると排出することが難しく、糖尿病やアルツハイマーにもつながる可能性があると考えられている物質であるため、ピスタチオを食べて対抗しましょう。
まとめ
ピスタチオのことを少しはわかったのではないでしょうか?
ピスタチオに含まれる豊富な栄養素で腸内環境の改善・便秘予防効果、アンチエイジング効果、美肌効果、血行促進・貧血予防効果などの効能も期待できます。
ただし、最近のピスタチオブームでピスタチオが含まれているスイーツは、糖分や塩分などもたくさん入っていますので食べ過ぎには逆効果ですのでご注意ください。
出来れば、殻付きのピスタチオや袋詰めのピスタチオをおすすめします。
この記事を書いた人
『イートラスト株式会社 CS・テクニカルチーム 課長/ B-rise運営事務局 副局長』
飲食業界で現場・SV・マーケティングを経験し、2014年イートラスト株式会社へ入社。ディレクター業務・カスタマーサポート業務を経て、現在はSEOやホームページ運用全般を請け負う「テクニカルチーム」を立ち上げ、責任者を担う。飲食業界に携わっていたこともあり、サービス業様へのWebマーケティング・SEO/MEOで貢献していくため、日々新しい試みを模索している最中です。