2023 年 10 月 13 日公開

日本武道館がなぜライブの聖地になったのか?

日本武道館がなぜライブの聖地になったのか?

音楽が好きでよくライブなどに行く人なら、ほとんどの方が耳にしたことがあるであろう武道館ライブ。


歴史がある建物でのライブで特別感があるというイメージをもっている方は多いと思いますが、なぜ武道の為に建設され、オリンピックなどにも使用されている場所で、音楽アーティストがライブをするようになったのでしょうか。


この記事ではそんな日本武道館でライブが行われるようになった経緯についてご紹介していきます。


実際に私も直近で初めて日本武道館でのライブを観て、日本武道館という建物の独特な雰囲気を感じました。




日本武道館とは

日本武道館は九段下駅2番出口から徒歩5分(東京都千代田区北の丸公園2番3号)の場所に位置しており、周辺には日本を代表する寺社や皇居、公園があります。


1964年にアジア初のオリンピック開催となった東京オリンピックの際、柔道競技を行うための会場として作られました。


武道館の中には、大きなメインアリーナの他に、柔道・相撲・弓道・剣道が行える道場も備わっており、年間を通して様々な柔道や剣道の大会が開催されています。

日武道館での最初のポップス公演

開館後、日本武道館は様々な催しで使用されてきましたが、どんな催しであれ天井から日本の国旗が掲げられています。


毎年8月15日に行われる全国戦没者追悼式を始め、国家的行事の開催も多く、神聖で特別な場所というイメージは現在も根強いと思います。


そんな中、開館から2年後の1966年に世界的に爆発的な人気を誇っていたビートルズがポップ・ミュージックのアーティストとして、初めてライブを行いました。


ビートルズの武道館ライブは唯一の来日公演となり、観客が入っていたのはスダンド席だけだったのにもかかわらず数万人がそのライブを観て影響を受けました。


その中には、加山雄三や美空ひばり、沢田研二、宇崎竜童、財津和夫などのミュージシャンや著名人も多くいました。


しかし、ビートルズの武道館公演では、日本の武道の聖地で外国人がロックのライブをすることに反対の声もあったそうですが、無事に歴史的なイベントが開催されたことによって、日本武道館が「ライブの聖地」と呼ばれる歩みが始まりました。


数年で日本一のライブ会場となる

ビートルズの武道館公演後から、ビートルズに影響を受けた若者たちがグループ・サウンズの一大ブームを巻き起こし、ザ・タイガースやスパイダースなどの日本人アーティストも武道館でライブを行うようになりました。


海外からも、ビートルズに続きウォーカー・ブラザーズ、モンキーズ、シカゴ、レッド・ツェッペリンなどのアーティストも来日公演を行い、「ライブの聖地」としてのイメージを確立していきました。


アリーナにも観客が入れるようになると、日本武道館は1万人以上を収容できるライブ会場となります。


現在では数万人が集まる会場も少なくありませんが、当時は1万人を収容できる会場やアーティストはごく一握りで、ミュージシャンやアイドルが目指すステージとなり、日本一のライブ会場という認識を持つ人が多くなりました。



最後に

先日、実際に日本武道館でのライブを観て、一万人を超える大きな会場でありながら、客席がステージを360度囲むつくりになっていた為ステージとの距離も近く感じることができ、同じアーティストが好きで集まった人達との一体感もありました。


日本武道館はもともと武道場として建てられたため、音響はいまひとつと言われていましたが、ライブ前の物販で並んでいた際にリハーサルの音で会場が揺れていて、楽しみにしていたライブがやっと観れるんだという気持ちと、武道館や武道館付近の建物の雰囲気も相まって、ライブが始まる前から不思議と楽しい気分になれる会場だなと感じました。


日本武道館に限らず、音楽はサブスクなどで聞くだけではなく、実際にライブ会場に足を運んでみると、また違った楽しみ方ができますので、好きなアーティストなどがいる人はぜひ遊びに行ってみてください!





◆ドレミファクラブ:https://doremifaclub.jp/

この記事を書いた人

鈴木 養範

『イートラスト株式会社 CSグループ』

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